<歌の栞 In 色紙2003>

   2003年5月から12回の予定ではじめた
   みの虫さんの書画と僕の小文「歌の栞」との
   コラボレーション企画へのリンクページです。
   みの虫さんが毎月どのような短歌作品を取り上げるのか
   僕自身もわくわくしながらの企画でした。
   みの虫さんの素敵な書画とともにお楽しみください。 
         (短歌作品をクリックしてください。)

 

2003年 5月 おりたたみしき空(そら)を鞄につめこみて軍(いくさ)のときは逃げる覚悟だ 渡辺松男
                          <歌の栞> 「偽りの空」 神崎ハルミ

2003年 6月 森閑と百葉箱にひそみ居る観測機器のごときわが胸 永田吉文
                          <歌の栞> 「林君のこと」 神崎ハルミ

2003年 7月 四男は水道橋駅下り線ホームに在りき母逝きしとき 三枝昂之
                          <歌の栞> 「読書する女」 神崎ハルミ 

2003年 8月 失ひしもの皆美しき黄昏はわれの未婚も偶然とせず 築地正子
                          <歌の栞> 「夏の思い出」 神崎ハルミ

2003年 9月 なにもなかつたことにして置く恐らくは死さへも弟の癌死以外は 岡井隆
                          <歌の栞> 「チョコレートの甘い香りがしてきたら」 神崎ハルミ

2003年10月 とほくゆく「時」を見たりき 秋草の堤を走る風の重ねに 大辻隆弘
                          <歌の栞> 「白髪橋」 神崎ハルミ

2003年11月 ああわれにやさしき手紙運び来よしろがねの月下の郵便局よ 稲葉京子
                          <歌の栞> 「LAWSONの郵便ポスト」 神崎ハルミ

2003年12月 われもまたひとつの連鎖しののめの昇る朝日をかなしみにけり 三井ゆき
                          <歌の栞> 「彼岸まで」 神崎ハルミ  *謎彦さんからいただいた感想

2004年 1月 ガラスをみがく大きく大きくなる気持ちになってゆかねば 高瀬一誌
                          <歌の栞> 「ガラスの壁」 神崎ハルミ

2004年 2月 苔のうへにこもれびの日が差すところ腹ばひゐたり猫のすがたに 小池光
                          <歌の栞> 「猫ばあちゃん」 神崎ハルミ

2004年 3月 夜をこめて臥所にひびく春の雨のびる小草のたけを思はん みの虫
                          <歌の栞> 「祈りの雨」 神崎ハルミ

2004年 7月 街じゅうのタクシー止まれと手をあげる恋ってなんかそういう感じ 神崎ハルミ
                          <歌の栞> 「目をつむれば」 神崎ハルミ 
                            * 「色紙2003&歌の栞」に寄せて 伊波虎英(旧・神崎ハルミ)