2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

◆『水の花』 雨宮雅子歌集 一九二九年生まれの作者の第十歌集。歌集 名は、作者夫婦と交友があり、闘病中に自宅 で孤独死した小中英之の<沢瀉は水の花かも しろたへの輪生すがし雷遠くして>から採り、 沢瀉(おもだか)は夏の水面の白き花 孤独死をなぜ人…

薄荷緑の歯ブラシ 伊波虎英 養殖のうなぎが餌を喰ふところ見てよりうなぎ苦手となりぬ 花火とは花の火ならず然はあれどアンダルシアのひまはり畑 あたらしきミントグリーンの歯ブラシをおろす寝苦しき夜を越えきて 歯ブラシの刷子にさへも彩色をほどこす無駄…