2004-01-01から1年間の記事一覧

かつて東雲(しののめ)乳母車店ありし地にたつダイエー大和店如何に 雄インド孔雀の羽根にかこまれて明日という語をいうは哀しも 「自転車屋の無料(タダ)で空気が入れられるポンプを僕は尊敬してる」 真昼、いるはずなき姉が湯剥きするトマト 斯くまで現…

☆ 1.1:元日 伊波虎英 2004年12月12日 (日) 01時26分 元日やいざロシナンテにまたがりて ☆ 1.2:初夢の日 伊波虎英 2004年12月10日 (金) 15時43分 初夢の日の山之口貘詩集 ★島田牙城選【人】 ☆ 1.3:ひとみの日 伊波虎英 2004年12月10日 (金) 15時59分 ぷちぷち…

大和青果店主(あるじ)が叩き売る黄金のバナナ黒ずむは美(は)し ああ、夏の死者たちが見た夢だから九月の空はこんなに高い 利かん気のさくらは十九歳(じゅうく)、三人の兄に「桜ん坊」と呼ばれて 発見! 日の丸おじさん > 秋場所に パラリンピックは応…

◆ 「BASBALO」 10首 ♪ゴンゴン消えてもパ・リーグ消えたらアカンオカーン!アカンオカーン! (http://www.kincho.co.jp/cm/html/2004/gon_a_rock/index.html) みおつくし沢口靖子がシャウトする「好かんナベツネ!セカンド井口!」 バファローも…

市立図書館の便器の白がまぶしくて泣きたい夕暮れだった

容疑者の中学時代のモノクロの写真のような曇天の朝 トーストが焦げるにおいに嘔吐(えず)くのは八月ゆえの前兆なのか 日常は啓示に満ちてまた今日もイチローは打ちチームは負けた おさな児の靴が転がるずぶ濡れの天王寺動物園(TENNOJI ZOO) イヴに会いた…

金貸しが配るうちわを受け取って京の空気をかきまぜている キトラ古墳の壁より白虎抜け出でて吼ゆるがごとき遠雷をきく 外は雨、三月書房に青空の欠片のような「かばん」の表紙 コンビニのATMに空蝉は置かれ(誰かの檸檬爆弾) 塩揉みをして十分後ゴーヤ…

室外機、パソコンの羽根まわる夜 ぼくらはどこへ行くんだろうね

◆ 『銀耳』再読 伊波虎英 五月十六日に東京で行われた短歌人の研究会の様子を、みの虫さ んがCD−Rに収録して送ってくださった。取り上げられている歌 集は、僕のお気に入りの一冊でもある魚村晋太郎さんの『銀耳』。 発表者の木曽陽子さんが、魚村作品に…

傘させど白雨に濡れるジーンズよ 我が魂の重さをおもう 画面にはブッシュ、首振りつつ声をかき消している扇風機(強) 六日後の土曜午後二時前に再度(また)絶命したり芹沢鴨は 赤児泣く真昼やまぶき色をした西瓜が爆ぜる大和青果店 夕暮れの卓にグレープフ…

おさな児の靴が転がるずぶ濡れの天王寺動物園(TENNOJI ZOO) べムに会いたい *題「家族」 *歌会詠草一覧は、こちら。↓ http://www.tankajin.com/utakai/utakaieisou4.htm

問う者のおらぬ答えか白雨(ゆうだち)は傘にアスファルトにはじかれて

何処(いずこ)へも飛べぬ人鳥類(ペンギン)「……雅子が……雅子と二人で……雅子の……雅子も……」 ススル、とは哀しき動詞 に饂飩を啜る音は積れり 聖家族ヨセフの思いに突きあたる三十七歳独り身のわれ折々のうた > を切り抜くカッターが誰かの首を切るやもしれ…

◆ 「 ニシムクサムライ 」 15首 武富士はティッシュ配りを自粛しているのか鼻をすすりつつ行く わけわからんイメージだけをばら撒ける 〈 武富士ダンサーズ 〉 〈 首相 〉 〈 皇族 〉 盗聴部が、元い頭頂部がむずむずと動きはじめる帽子の下で 武富士から …

穹窿の縫い目(ホクトノナナホシ)を引き裂いて降れジョバンニの声 マウンドに微笑みながら歩み寄る落合博満みたいな死神 熱湯を注げばほんのりぬくくなるカップヌードル容器の円周 乾涸びた海老がふやける三分間、高遠菜穂子を誉め称えよ 新羅橋いつしか白…

汗ばんだコーラの缶を覇王樹に(これはテロルだ)傾けている *題「木の名、草の名」 *歌会詠草一覧は、こちら。↓ http://www.tankajin.com/utakai/utakai3.html

◆ 斉藤斎藤> よりも作品を 伊波虎英 三月号の「三角点」に掲載されていた廣西昌也さんの「斉藤斎藤さん の「名前」」を、以前インターネット上においても枡野浩一さんが 藤斎藤> に異を唱えていたことを思い出しながら読んだ。 初めて僕が「短歌人」を手にし…

チーズケーキにフォーク刺しつつ少女らがたまゆら語る土方歳三 いま南海地震がきてもおかしくない(地下鉄千日前線車中) 高台に逃げる暇などないだろう 中尾彬のなまず面念(も)う 何もかもご破算にする呪文なり独りつぶやく「いただきます」は アナウンサ…

動く歩道(ムーヴィング・ウォーク)は橋か川なのか 追い越してゆく人の背背背背 雨よ青空を欲して落ちて来いわが掘る穴は深くて暗い 野良犬の鼻先乾くきさらぎに棟梁たちがつくる方舟 缶ビールの巨大看板広告の空の青さはにせものだけど 長男は仙台、次男は銭…

空(そら)に三(み)つ廊下 イラクへゆく人の口髭は雪の湿りを帯びて 銀行のATMは悪人の見分けもつかず触られている かさかさと音させているコンビニの袋に雨は沁みてはゆかず 銀鱗のあふれてやまぬ受話器からあなたの声をさがす冬の夜 微熱のあることを…

ケータイに薬缶声(やんがんごえ)を吹き込める男と昼のバスで運ばる さ牡鹿の入野のイラク派兵とは月の光も射さぬ闇なり HALCYON DAYS(ハルシオン・デイズ)終わらす雨が降る銀の魚になりたきひと日 『木に縁りて魚を求めよ』鶉鳴くブックオフに…

昨晩の事は忘れて猟銃は静かに寝息たてておるらん なぜ此処に居るのかわからない我が佇ち尽してる四番ホーム 疑問符となる術もなくこつこつと家路を小突く洋傘と、我 ねこを抱く歌人の写真、否ねこを殺そうとする目付きが怖い 春樹版『ライ麦畑』を枕とし眠…

祈りとは紅葉(もみじ)する樹々、極まればきみの手にのる一葉となる トリビアの砦としての学校が身の裡にありチャイムを鳴らす 終末期医療(ターミナル・ケア)施す医師としてやさしく街を濡らす糠雨 幽界へいざなう使者は颯爽と宅配ピザのバイクに乗って …

☆ 091:埋 伊波虎英 2004年05月10日 (月) 00時34分我も郷隼人も素手で埋もれ井を掘りて青空さがしてゐたり ☆ 092:家族 伊波虎英 2004年05月12日 (水) 00時24分聖家族ヨセフの思ひに突きあたる三十七歳独り身われは ☆ 093:列 伊波虎英 2004年05月12日 (水) 17…

☆ 081:イラク 伊波虎英 2004年04月29日 (木) 16時56分 また見たき『THE LAST TEMPTATION OF CHRIST(最後の誘惑)』原作はイラクリオンの出カザンザキス ☆ 082:軟 伊波虎英 2004年05月02日 (日) 00時22分バカの壁、死の壁のなき軟らかな養老孟司の脳の幽谷 ☆…

☆ 071:追 伊波虎英 2004年04月09日 (金) 17時06分後追ひの希(のぞ)み叶へし者たちと岡田有希子の ☆ 072:海老 伊波虎英 2004年04月21日 (水) 15時51分乾涸びた海老がふやける三分間、高遠菜穂子を誉め称へよ ☆ 073:廊 伊波虎英 2004年04月22日 (木) 17時26…

☆ 061:高台 伊波虎英 2004年04月02日 (金) 17時30分高台に逃げる暇などないだらう。中尾彬のなまづ面念(も)ふ ☆ 062:胸元 伊波虎英 2004年04月04日 (日) 23時19分胸元につい目が行くが蛇(じや)と化りし清姫みたいな井上和香だ ☆ 063:雷 伊波虎英 2004年0…

☆ 051:痛 伊波虎英 2004年03月21日 (日) 01時22分「痛い(イタイ)!」とは言ふな息子よ、歌ひ踊る四十六歳の桃色淑女(ピンク・レディー)を ☆ 052:部屋 伊波虎英 2004年03月23日 (火) 16時49分四畳半以上の部屋は広すぎて窮屈なのよ、安藤忠雄 ☆ 053:墨 伊…

☆ 041:血 伊波虎英 2004年03月16日 (火) 23時08分(鳥のない鳥籠) > 提げてチルチルとミチルと僕は永遠(とは)の旅人 ☆ 042:映画 伊波虎英 2004年03月16日 (火) 23時29分「チャップリンの無声映画の美少女をチャップリンよりも愛してゐたんだ」 ☆ 043:濃 …

☆ 031:肌 伊波虎英 2004年03月10日 (水) 01時21分海原に人肌の神酒(みき)捧げたし 斎藤清作知りたりや、きみ ☆ 032:薬 伊波虎英 2004年03月10日 (水) 11時55分薬師丸ひろ子の放つ機関銃で死ぬなら好いが、と一派遣兵 ☆ 033:半 伊波虎英 2004年03月10日 (水…