2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ケータイのメール飛び交ふ言霊の幸ふ国に零るスギ花粉 日曜の(チャペルで祈る人たちの蕾のやうな手がひらく)朝 歯並びの美(は)しき口もて春告ぐる気象予報士、巫女(すずしめ)たらむ 春愁はまろき緑に膨るがに 許由(きよいう)、巣父(さうほ)と名付…

<ログ66>◆100:マラソン 廣西昌也 2005年04月21日 (木) 16時43分 マラソンの宗兄弟は双子です両方大人になれてよかった <ログ67>◆013:焦 青山みのり 2005年04月23日 (土) 22時31分 春空に吸われたボール 焦点が合った/合わない 肩がぶつかる ◆040:お…

<ログ65>◆050:変 M.東矢 2005年04月20日 (水) 02時52分 草の戸や折りふし花のうつろへどブルーシートの青けふも変はらず ◆045:パズル 飛永京 2005年04月20日 (水) 22時28分 その先はもう埋めないで曼陀羅華パズルは少し残すのがいい

<ログ63>◆041:迷 飛鳥川いるか 2005年04月16日 (土) 22時10分 さよならという声いまだこの耳の迷路にありてさんがつの雨 ◆038:横浜 吉田貴美子 2005年04月17日 (日) 07時10分 ああこの人も悲しきまでに母なりき 美空ひばりの生れし横浜 <ログ64>◆042…

<ログ62>◆033:魚 ピッピ 2005年04月13日 (水) 10時20分 三代目魚武濱田成夫なら殴ってくれる気がした夜更け ◆048:袖(再投稿) 中澤あけみ 2005年04月14日 (木) 00時15分 袖口にいくども目許を拭ひつつ吾子は話せり学校のこと ◆002:色 咲良時 2005年04月1…

☆ 041:迷 伊波虎英 2005年04月09日 (土) 01時44分 迷ひあるときはかならず祖父(おほちち)がくれし幸弾丸(しやちだま)ぎゆと握りしむ ☆ 042:官僚 伊波虎英 2005年04月09日 (土) 01時47分 蓮の根の穴のかなたに官僚は the present perfect(現在完了)経験…

<ログ61>◆066:消 今泉洋子 2005年04月11日 (月) 12時37分 少年の噂日毎に消えゆけと街に匂へり蜜柑の花は ◆018:教室 高澤志帆 2005年04月12日 (火) 19時59分 4月、灰野さんちはどこですか? 知らぬのはよいことあれはせり、なづな祖母の青空教室つづく

☆ 5.1:スズランの日 伊波虎英 2005年04月02日 (土) 17時37分 スズランの日や君の影濃くなりぬ ☆ 5.2:緑茶の日 伊波虎英 2005年04月03日 (日) 15時37分 銀幕ゆ聖五月来ぬ緑茶の日 ☆ 5.3:憲法記念日 伊波虎英 2005年04月02日 (土) 17時38分 セ・パ交流戦前前前…

<ログ60>◆022:弓 片岡 幸乃 2005年04月09日 (土) 20時19分 梓弓引き籠りゐる若き等が日本列島の闇を穿てる ◆18:教室 佐藤理江 2005年04月09日 (土) 23時16分 伝へたい相手を持たぬ黒板が空き教室の全てといへる ◆061:じゃがいも 今泉洋子 2005年04月10日…

<ログ58>◆004:淡 椎名時慈 2005年04月06日 (水) 21時35分 淡々と暮らしたくても段々と濁っていきます あれは替えなきゃ ◆038:横浜 華音 2005年04月06日 (水) 23時00分 横浜は反すうする場所くちづけも潮の匂いも夜の深さも ◆094:進 やそおとめ 2005年04…

☆ 031:盗 伊波虎英 2005年03月28日 (月) 17時42分 復活祭の月光浴びてあるく吾はサドルを盗られたる自転車か ☆ 032:乾電池 伊波虎英 2005年03月28日 (月) 17時44分 単4の単3単2単1の乾電池ねむるねむれコンビニ ☆ 033:魚 伊波虎英 2005年03月28日 (月) 1…

<ログ57>◆006:時 西王燦 2005年04月05日 (火) 21時26分 非時香菓(ときじくのかくのこのみ)や日本の天皇制を支へ来しpenis ◆022:弓 新藤伊織 2005年04月05日 (火) 23時52分 あずさ弓引き際だけは美しく何もなかった何もなかった ◆017:陸 水沢あけび 200…

<ログ55>◆018:教室 片岡 幸乃 2005年04月02日 (土) 15時20分 戦争は人殺しだよと言ったのは比嘉君だった午後の教室 ◆001:声 斉藤斎藤 2005年04月02日 (土) 22時36分 変声期のよいこは心で歌いましょう(永世棋聖 米長邦雄) ◆020:楽 おやなぎ しま 2005…

艶やかに花米ひかり火ヌ神(ひぬかん)を青きガス火に呼び出してゐる あかつちの窪みに光るみづ溜めて言葉置くやうに雨は過ぎたり 渡英子 樹のわたし身体に穴があるわたしもう人間を生まないわたし ことばより声がかなしい朝窓に胸ふくらます雀来ていて 早川…

海綿のうへに目醒むる切手にも快楽のごときくるしみあらむ 服部みき子 候鳥が集う水面に映りたるまぶたを腫らしたような曇天 守谷茂泰 軍刀に刃こぼれありと研ぎ師いう何も語らず父は逝きたり 細山久美 添へ書きに母といふ字の消えしより賀状の余白広くなり…

崩落のやまぬ氷河の裂け目より神さぶるまで青き核見ゆ 洞口千恵 祈りとは地軸に激しくひびくものカイラス巡礼身を投げすすむ 揺り椅子にそつと座ればみすずかる信濃の祖父に抱かれし記憶 和田沙都子 認知症に括弧でくくって添えられた「痴呆」が消える日はた…

<ログ52>◆032:乾電池 廣西昌也 2005年03月29日 (火) 17時52分 乾電池抜いた空虚に指を入れ一子とつながらないか待ってる ◆046:泥 廣西昌也 2005年03月29日 (火) 18時39分 泥濘のなかに小さな虫がいて誰かを待っているような春 ◆026:蜘蛛 五十嵐きよみ 20…

朝焼の空に浮びし太刀魚の雲は尾を跳ね「踏み出せ」といふ 岩橋佳子 雪の面の冬樹の影のアラベスクはかりがたしも老いさきのこと 吉田宏道 雄叫びを奔馬のごとく張りあげてマリア・シャラポワその長き足 野村裕心 鬼やらひ恥づかしといふ娘伴なひて小さき声…