2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

<ログ158>◆078:携帯 岡村知昭 2005年10月27日 (木) 23時44分 ロンドンの警官はなぜ拳銃を携帯せずに空を見ている ◆070:曲 氏橋奈津子 2005年10月28日 (金) 04時16分 どこへゆく幕間でしょう間奏曲ばかりながれるホテルのロビー <ログ160>◆095:翼 …

◆ 良い短歌/良い読者 伊波虎英 「9月時評/短歌と出会う」で村田馨氏は、作者と読者との間に ある<良い短歌>についての認識のズレに触れて、<良い短歌>が <良い読者>とめぐりあう確立を高めるためには、読者の物差しと 作者の物差しをできる限りすり…

竜舌蘭ぐんぐん伸びてをちこちに咲(ゑま)ふ夏、戦後六十年目の はろばろと来てヘラクレスオホカブト、大和男児にいぢられてをり アリコジャパンとドモホルンリンクルのCMを母忌み忌みてチャンネルを変ふ 微動だにせぬ雲の峰 産院の脇のポストに歌稿を投…

<ログ154>◆100:マラソン 大辻隆弘 2005年10月26日 (水) 01時42分 大いなる徒労のごときマラソンを祝聖しつつわれら愉しゑ ◆053:髪 氏橋奈津子 2005年10月26日 (水) 03時38分 冬の夜の濡れ髪がすぐ凍ること喜屋武くんだけが信じやしない ◆006:時 西橋 美…

<ログ148>◆004:淡 佐藤弓生 2005年10月23日 (日) 07時22分 ガスタンク淡くなりゆく 朝焼けの地球に露とむすびてのちを ◆018:教室 佐藤弓生 2005年10月23日 (日) 07時28分 するすると西日退きゆく教室に机も椅子も脚折りはじむ ◆080:書 星川孝 2005年10…

赫よりもあかき緑をしたたらす処女叫喚の、極月は来よ *題「月」 *期間2005.10.2〜10.25 *出詠歌一覧は、こちら。↓ http://www.tanka.org/kakai14.html

<ログ144>◆065:城 村上きわみ 2005年10月20日 (木) 01時11分 憂鬱に濃淡ありてこの夜を染めるカフカの「城」のうすやみ ◆085:胸騒ぎ 資延英樹 2005年10月20日 (木) 11時00分 胸騒ぎなんて久しくなかつたね、ねぇ PIXUS の女つて誰 <ログ145>◆028:…

<ログ140>◆012:メガホン 高瀬いつか 2005年10月16日 (日) 20時22分 メガホンは声を大きくするだけで言葉を強くしてはくれない ◆072:インク 資延英樹 2005年10月16日 (日) 23時48分 鉛筆でなければ書けぬことがあるインクの滑り忌みつつもとな ◆060:影 …

<ログ134>◆086:占 田丸まひる 2005年10月10日 (月) 22時05分 今ぼくのすべてを占めるやるせない怒りの味がするかすり傷 ◆051:泣きぼくろ なかはられいこ 2005年10月10日 (月) 23時56分 柳ヶ瀬は濃尾平野の泣きぼくろフィリピーナがぺたぺたとゆく ◆056:…

<ログ126>◆032:乾電池 村上きわみ 2005年10月01日 (土) 09時53分 ひきだしの奥をうっすら湿らせる単三乾電池のみどりいろ ◆042:官僚 村上きわみ 2005年10月01日 (土) 09時57分 官僚の、ワイシャツの、ほら、よく糊の、きいた、襟、みたいな嘘をつく <…

◆「夜のプール」金沢早苗 われを待つ人ゐるやうな夕べなりどこまでゆけども信号は青 木陰にて撮る家族写真ばらばらの時間をやつとひとつに集め ひろびろと湛ふる水をそよがせて風あつまりぬ夜のプールに こんな小さな文字かく人になりしかな冷たき雨に葉書は…

◆「一匙の塩」酒井佑子 死ににゆく者なればその朝々をいとしみにけりななそぢとなる 入善(にふぜん)を見たき心の離(か)れゆくを入善はなほ遙かなるかな 父母も故國(ふるくに)の伊予も遙けきに夜更けて道に伊予びとに逢ふ ◆「休日の夜」神代勝敏 隣家よ…

司馬台から金山嶺へ 首都を出て司馬台(スーマータイ)へ道端に幟のごとく吊らるる蓮魚 本多稜 花束を三位に渡す少女ゐて他の誰より嬉しげに見ゆ 梶倶認 いくばくか輪廻転生信じつつ密度のうすき髪を梳くかな 長谷川莞爾 帰りたき昨日はあらず通り雨過ぎたる…

指先がゑがく螺旋にまどはされ蜻蛉(あきつ)のやうに恋におちたり 高澤志帆 すれちがふ。なべてちがふといふことをおもひしるためたしかむること 花笠海月 金を請う手紙に才の煌きて啄木体重四十四キロ 森澤真理 極まれる暑さを吊りて起重機は雲の峰より高…

恋人が赤くただれて黒焦げて棒となること単純なこと 谷村はるか ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」金髪の先の先まで描かれてあり 楠藤さち子 片扉失せしままなる山門に直と続けり濃あぢさゐの毬 安達広子 次の世に伝へたき想ひを床並べ夜更けに語る十四…

頭陀袋を木かげにかけて口ゆがめ哭く老いひとも見ゆる涅槃図 梅田由紀子 ダブルプレーもなかなかならぬ県大会二回戦あたりを寝て観るがよし 久保寛容 友人の癌のことまでネタにする常連投書家四十一歳 白山太郎 みづみづしき胡瓜、茗荷を置きゆきし友の足音…

<ログ122>◆093:ナイフ 市川 周 2005年09月25日 (日) 21時34分 ナイフもてマ●コの形(かた)を彫りしより首吊る人のなき桜の樹 ◆090:薔薇 五十嵐きよみ 2005年09月25日 (日) 23時00分 淋しさにふれてきた手ですり減らす薔薇のかたちをした石鹸を <ログ…