2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

睾丸も乳房も垂れている特に神へ祈りを捧げるときに 八木博信 存在を前提として笑いおりたとえばマツコデラックス、クス 藤原龍一郎 ゆるやかに海へとむかふ川であるわたしはぢきにわたしを忘る 阿部久美 肩のちから抜いておほきく息を吐け そら、ひぐらしの…

声のごとく霧わく朝あぢさゐの小窓小窓がしづかに開く 洞口千恵 突き上げた手で陽の光かき集めどこに捨てたかYOSAKOIソーラン 森谷彰 いい傘を買おうこののち雨の日のたびにひろげる頭上の広島 谷村はるか とんがってやっていくしかないのだろう スカ…

八本の吾が包丁はこののちのどのあたりにて捨てて去るべき 田中曄子 おもいでとよく似て蚊取り線香は消えるまぎわにひときわ香る 砺波湊 とりどりの花咲く庭に老妻は正座をなして草を引きゐる 五十嵐敏夫 あの方も逝かれたなどと思いつつ牛乳の膜つまんで捨…

耐震に自信あります強い家垂れ幕風にちぎれて久し 田平子 わが町にカニハ・トンギョウなる地名由来なんぞやカニハ・トンギョウ 籠房代

扇風機組み立てる夜は怪物をつくりしフランケンシュタインの心地 浴室にあたらしき種の亀のごと胡瓜石鹸(オイビヌ)ひとつ置かれてゐたり 韓国の胡瓜石鹸(きうりせきけん)あわだてて文月(ふづき)の髪をやさしく洗ふ オイキムチのオイは胡瓜であるからに…