2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

◆ 「 ニシムクサムライ 」 15首 武富士はティッシュ配りを自粛しているのか鼻をすすりつつ行く わけわからんイメージだけをばら撒ける 〈 武富士ダンサーズ 〉 〈 首相 〉 〈 皇族 〉 盗聴部が、元い頭頂部がむずむずと動きはじめる帽子の下で 武富士から …

穹窿の縫い目(ホクトノナナホシ)を引き裂いて降れジョバンニの声 マウンドに微笑みながら歩み寄る落合博満みたいな死神 熱湯を注げばほんのりぬくくなるカップヌードル容器の円周 乾涸びた海老がふやける三分間、高遠菜穂子を誉め称えよ 新羅橋いつしか白…

汗ばんだコーラの缶を覇王樹に(これはテロルだ)傾けている *題「木の名、草の名」 *歌会詠草一覧は、こちら。↓ http://www.tankajin.com/utakai/utakai3.html

◆ 斉藤斎藤> よりも作品を 伊波虎英 三月号の「三角点」に掲載されていた廣西昌也さんの「斉藤斎藤さん の「名前」」を、以前インターネット上においても枡野浩一さんが 藤斎藤> に異を唱えていたことを思い出しながら読んだ。 初めて僕が「短歌人」を手にし…

チーズケーキにフォーク刺しつつ少女らがたまゆら語る土方歳三 いま南海地震がきてもおかしくない(地下鉄千日前線車中) 高台に逃げる暇などないだろう 中尾彬のなまず面念(も)う 何もかもご破算にする呪文なり独りつぶやく「いただきます」は アナウンサ…

動く歩道(ムーヴィング・ウォーク)は橋か川なのか 追い越してゆく人の背背背背 雨よ青空を欲して落ちて来いわが掘る穴は深くて暗い 野良犬の鼻先乾くきさらぎに棟梁たちがつくる方舟 缶ビールの巨大看板広告の空の青さはにせものだけど 長男は仙台、次男は銭…

空(そら)に三(み)つ廊下 イラクへゆく人の口髭は雪の湿りを帯びて 銀行のATMは悪人の見分けもつかず触られている かさかさと音させているコンビニの袋に雨は沁みてはゆかず 銀鱗のあふれてやまぬ受話器からあなたの声をさがす冬の夜 微熱のあることを…

ケータイに薬缶声(やんがんごえ)を吹き込める男と昼のバスで運ばる さ牡鹿の入野のイラク派兵とは月の光も射さぬ闇なり HALCYON DAYS(ハルシオン・デイズ)終わらす雨が降る銀の魚になりたきひと日 『木に縁りて魚を求めよ』鶉鳴くブックオフに…

昨晩の事は忘れて猟銃は静かに寝息たてておるらん なぜ此処に居るのかわからない我が佇ち尽してる四番ホーム 疑問符となる術もなくこつこつと家路を小突く洋傘と、我 ねこを抱く歌人の写真、否ねこを殺そうとする目付きが怖い 春樹版『ライ麦畑』を枕とし眠…

祈りとは紅葉(もみじ)する樹々、極まればきみの手にのる一葉となる トリビアの砦としての学校が身の裡にありチャイムを鳴らす 終末期医療(ターミナル・ケア)施す医師としてやさしく街を濡らす糠雨 幽界へいざなう使者は颯爽と宅配ピザのバイクに乗って …