2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

<ログ79>◆037:汗 近藤かすみ 2005年05月25日 (水) 22時33分 顔文字で照れて笑つて汗をかく世界がときどき馬鹿らしくなる ◆080:書 飛永京 2005年05月26日 (木) 02時32分 訳本を書いた人の名うつくしい蓮池薫 大地に根ざす <ログ80>◆037:汗 高澤志帆 2…

復活祭の月光浴びてあるく吾はサドルを盗られたる自転車か 春霞淡くさへぎる遠方(をちかた)へ老女三人(みたり)をバスは運べり さかさまに鞄をふればしろがねのゼムクリップ出づ泣けとばかりに しやきしやきとサラダすなはち北原白秋(はくしう)のさびし…

<ログ77>◆045:パズル 五十嵐きよみ 2005年05月20日 (金) 00時12分 一冊をどこまで言葉で埋めてもパズル雑誌の変わらぬ軽さ ◆047大和 松山宮崎 2005年05月21日 (土) 11時14分 好物は大和の国のジャムパンで祈るのがクセ青い目の友 <ログ78>◆046:泥 田…

☆ 051:泣きぼくろ 伊波虎英 2005年04月16日 (土) 00時53分 泣きぼくろ持つ者同士で話し合はう 大陸、半島、雨は日本へ ☆ 052:螺旋 伊波虎英 2005年04月21日 (木) 11時01分 教皇が逝去せし日も天上を螺旋めざせり有平棒(アルヘイばう)の ☆ 053:髪 伊波虎英 …

「記念日俳句」投稿ページ(http://www.sweetswan.com/kinenbi-touku/) ☆ 6.1:麦茶の日 伊波虎英 2005年04月22日 (金) 10時33分 淡々と流るる大河麦茶の日 ☆ 6.2:路地の日 伊波虎英 2005年04月22日 (金) 17時21分 路地の日や蝋石ちびて老ゆる子ら ★淡々選【…

<ログ75>◆032:乾電池 高澤志帆 2005年05月14日 (土) 09時32分 5月、失楽園 オキシライド乾電池の青 さけがたく気の強き人にひかれてしまふ <ログ76>◆022:弓 渡部光一郎 2005年05月16日 (月) 21時04分 弓を持つ矢を持つ矛持つ斧を持つまた花を持つ観…

<ログ73>◆030:橋 冨樫由美子 2005年05月09日 (月) 16時16分 ながいながい放課後だつた繰り返し倫敦橋が落とされてゐて ◆028:母 杉山理紀 2005年05月10日 (火) 01時07分 母と乗る電車のすきまが深かった喜一のぬりえ落ちそうだった <ログ74>◆066:消 …

<ログ70>◆066:消 あみー 2005年05月03日 (火) 16時40分 送信の履歴は消した 淋しさの正しい伝え方が知りたい ◆003:つぼみ 翔子 2005年05月04日 (水) 02時24分 町史から飛び出す梅のつぼみあり古人の髪を飾りて <ログ71>◆011:都 矢野佳津 2005年05月0…

◆「徘徊行進曲(マーチ)」内山晶太 うらわかき宮里藍のかがやきに照らされて月のような私だ ◆「巫女のように」川田由布子 無垢なるはたいせつな意志バイオリンの少女の肩に黒髪流る 電話機を握りしめたるまま逝きしマリリン・モンロー携帯電話(ケータイ)…

◆「狐塚」武下奈々子 降るゆきの武生畑町狐塚骨組みのみのハウスが寒し 無くてよき物が売らるる郊外の量販店なり蝋燭いづこ 高値(かうぢき)の石油燃やして育てたるトマト気弱な赤を光らす ◆「気泡」鶴田伊津 たんぽぽの花に目線を合わせんとしゃがみこむと…

春の大雪くるを伝えて若き声ラジオに明日が今日となるきわ 相川真佐子 堤義明など知らざりというがごとく西武線はも定刻に来つ 宮田長洋 淀川の鉄橋いまは女しか乗らぬ車両に夕陽がとどく 吉岡生夫 雨戸よりふしあな通す陽光を長らく見ぬこと思ひ起き出づ 大…

樹林帯を揺るがし谷を越えて吹く夜の吹雪をストイツクと呼ぶ 阿部洋子 北欧の鉄のストーブとろとろと燃えをり海も雪ふりてゐん 金沢早苗 奴隷市のたつたひとりの誇り高き奴隷のやうに観世音たつ 青木和子 後ろより蹴りを入れたし歩きタバコしてゆく男の足が…

おのが罪ひたと見ろよと言うようにどちらへも流れていない川 お前より多くの町で生きてきたお前より辛いカレーを喰って 谷村はるか SLのすべり止めの砂売られをり合格願ふ受験生らに 正藤義文 レシートの日付け変わりてコンビニの二十四時間一年始まる 前…

<ログ68>◆068:四 望月暢孝 2005年04月26日 (火) 15時46分 楷書的四つ角の街に出社して草書的三つ角の場所に戻る毎日 ◆026:蜘蛛 林 ゆみ 2005年04月27日 (水) 01時13分 「女郎蜘蛛」「背赤後家蜘蛛」クモの名は何故に悲しい女を選ぶ <ログ69>◆025:泳 …

暗き燭は机上を荒ぶ海となしフランス詩選を沈めておりぬ 久保寛容 天王寺駅連絡通路に春近き靴墨のにほひ流れてをりぬ 梅田由紀子 池の辺に老夫婦ありさざなみはつぎつぎとくらき陰を生みゐつ 松野欣幸 湯に浸かる婆さまの顔と湯婆の凸凹具合が少し似通ふ 白…