2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

<ログ49>◆016:たそがれ 佐藤 紀子 2005年03月27日 (日) 11時22分 旅先のたそがれ時が寂しいと母はなかなか旅をせざりき ◆063:鬼 尾崎弘子 2005年03月27日 (日) 12時24分 わがうちに鬼の来る頃みはからいしづかにペンを置きたるゆふべ <ログ50>◆100:…

ほんたうに自死してしまつた人たちの遺書をあつめたサイトを覗く 人の名と食べ物あまた記されし円谷幸吉(つぶらや)の遺書に 養命酒 > ありぬ 萩の月(仙台銘菓)にそつくりの薩摩土産をひとつだけ食ふ ユンソナが舌訛(しただ)み話すニホン語の沁み入るわ…

<ログ48>◆046:泥 丹羽まゆみ 2005年03月26日 (土) 02時54分 泥濘に浮かぶうさぎの雪形のさみしさ春をうさぎでおれぬ ◆028:母 飛鳥川いるか 2005年03月26日 (土) 10時52分 風葬をのぞむわが身にははそはの母音のごとくやはらかき雨 ◆098:未来 足立尚彦 20…

<ログ47>◆021:うたた寝 ひぐらしひなつ 2005年03月24日 (木) 21時39分 六月の樹下のうたた寝 触れてくるものをやさしく握りかえして ◆026:蜘蛛 萱野芙蓉 2005年03月24日 (木) 22時22分 蜘蛛が這ふ、みぎ・した・ななめ、前衛とかつてよばれた譜面のうへ…

<ログ46>◆028:母 秋中弥典 2005年03月23日 (水) 18時10分 ボサボサのわが子の髪を切るように母はナイフで鉛筆削る ◆019:アラビア 唐津いづみ 2005年03月23日 (水) 18時19分 あのころは声をかけあうひとがいたペンネ・アラビアータからめてすくう ◆017:陸…

☆ 021:うたた寝 伊波虎英 2005年03月20日 (日) 17時33分 ステージ上のプリンセス・テンコーがにつこり微笑んで言つた。 「竹島は日本固有の領土ですから、独島は消してしまひませう」うたた寝に恋しき人を見てしより結婚するつたらするんだからね ☆ 022:弓 …

昨年の「題詠マラソン2004」、 「縫い目」というお題に 玲はる名さんが出詠された作品について (こちらで作品がうまくUPできないので 掲示板でご覧ください)、 僕の掲示板でいろいろ話をしています。記号短歌、作品のオリジナリティーに関して等、 今年…

<ログ45>◆014:主義 廣西昌也 2005年03月22日 (火) 16時30分 チクロ入り菓子を毎日食べていた共産主義に華ありし頃 ◆012:メガホン みち。 2005年03月22日 (火) 22時58分 電話でもメールでもダメ。メガホンで“がんばれ”と言って。そこから言って。 ◆034:背…

<ログ42>◆002:色 兵庫ユカ 2005年03月20日 (日) 02時31分 ゆきでしぬひともいるくにきれいごというこの脳の色見たいいま見たい <ログ43>◆021:うたた寝 仁村瑞紀 2005年03月21日 (月) 13時25分 うたた寝の愛しくちびる奪うのは特権じゃなく恋人の義務…

<ログ41>◆016:たそがれ 中澤あけみ 2005年03月19日 (土) 00時47分 たそがれの蔦や書店の奥つ方ひそと息づく言霊(ことだま)のあり ◆079:ぬいぐるみ 謎彦 2005年03月19日 (土) 05時31分 中等部父兄教職員有志「ぬひぐるみ劇・オイディプス王」 http://ww…

◆『秘密基地』雑感 舟橋剛二歌集『秘密基地』を読んだ。 歌集出版を決意してから出版までの道のりを、筆名の 清水幸多として公開しているウェブ日記でリアルタイムで 読んで知っていたので、短期間でこれだけの歌集が よくできたものだと感心する。さらに、…

<ログ38>◆006:時 八香田 慧(ようかだ けい) 2005年03月16日 (水) 22時23分 知らぬ時見過ごす時に起こる時流れる時に繰り返す時 ◆018:教室 五十嵐きよみ 2005年03月16日 (水) 23時29分 教室に持ち込み禁止の空想はなくて自由にゆるむくちもと <ログ3…

☆ 011:都 伊波虎英 2005年03月11日 (金) 23時37分 ラジオから流れてきた 「とんぼ」を聴きながら 長渕剛にはなれなかつた 友人のことを ひとり 考へてゐた金曜日の夜。都には都の掟 敗走は許さぬ、永遠(とは)に敗残者たれ ☆ 012:メガホン 伊波虎英 2005年0…

<ログ35>◆083:キャベツ 春畑 茜 2005年03月14日 (月) 16時34分 迷いなくキャベツと育ちたるいのち夕べ刻めば青く匂える ◆086:占 春畑 茜 2005年03月14日 (月) 16時48分 占いにひきちぎられてゆく花の白さかなしさ夕路地に降る ◆007:発見 本田瑞穂 2005年…

☆ 4.1:トレーニングの日 伊波虎英 2005年02月26日 (土) 11時11分 トレーニングの日の鞄には『豊饒の海』 ★仲寒蝉選【佳作】 ☆ 4.2:歯列矯正の日 伊波虎英 2005年02月26日 (土) 23時29分 春思とはすなはち歯列矯正の日 ☆ 4.3:いんげん豆の日 伊波虎英 2005年0…

<ログ29>◆005:サラダ 皆瀬仁太 2005年03月11日 (金) 01時47分 もう一度やり直すためざくざくとサラダボウルに混ぜるしがらみ ◆055:ラーメン 謎彦 2005年03月11日 (金) 08時02分 「ラーメン」と呼ぶ構造が都庁舎の展望台をけふも支へる http://www.aij.or…

<ログ24>◆006:時 冨樫由美子 2005年03月08日 (火) 15時22分 晴れてゐる時間のほかは数へない日時計になりたいと思つた <ログ25>◆020:楽 深森未青 2005年03月08日 (火) 23時13分 楽人の乳房はかなしはかなくてふるへる弦(いと)のなほ透きわたる ◆00…

<ログ18>◆032:乾電池 田貫 砧 2005年03月06日 (日) 02時55分 乾電池入れぬ時計は一日に二度正確な時刻をきざむ ◆011:都 足立尚彦 2005年03月06日 (日) 13時26分 小京都の小のほどよき健気さを保ち続けているのもだるい <ログ19>◆004:淡(再投稿) 村本…

☆ 001:声 伊波虎英 2005年03月04日 (金) 11時19分 さくら咲くケアセンターゆ弥生式土器声(かはらけごゑ) のあふれてやまず ☆ 002:色 伊波虎英 2005年03月04日 (金) 11時22分 土器声にも縄文式と弥生式があることを知る。 男性が縄文式、女性が弥生式といふ…

<ログ14>◆044:香 春畑 茜 2005年03月04日 (金) 14時21分 沈香を焚けるひとときひとすじの煙は触れつ弥勒の指に <ログ15>◆011:都 鈴木貴彰 2005年03月04日 (金) 22時04分 息づかいだけが聞こえた 都会からきた少年のうすいくちびる ◆005:サラダ 前野…

<ログ11>◆030:橋 春畑 茜 2005年03月03日 (木) 14時32分 そのうえをひとのかなしみ渡るとき橋はやさしくゆうぐれを揺る ◆032:乾電池 春畑 茜 2005年03月03日 (木) 14時36分 乾電池にも寿命あるさびしさやもうあかんねん、そう、あかんねん <ログ12>◆…

<ログ8>◆016:たそがれ 春畑 茜 2005年03月02日 (水) 14時26分 さくら花あわれ定家の身めぐりにしらしら降(くだ)る遠きたそがれ ◆002:色 飛鳥川いるか 2005年03月02日 (水) 07時59分 勇ましき神の歯茎の色ならん朝の光に透る蚯蚓は ◆032:乾電池 船坂圭之…

<ログ5>◆006:時 矢嶋博士 2005年03月01日 (火) 09時21分 東京に十五カ月 借金の増えゆくままぞ わがにつちもさつちもゆかなくなりゆく 六歳は七歳になる 春になればランドセル購ふ 金無き家にかへらなむわれは おほさかにかへらねばならぬ時ならね 家族で…

二千余年生き続けたる大楠に何でも呑みこむ洞が口あく 遊亀涼 どうしても避けて通れぬところあり流しの前の床きしむ音 高木律子 小学校の机のなかでとこしへに三角定規とがりてをらむ 松野欣幸 わがこころ問はれてゐたり青さぎのつね一羽なる川のあけくれ 川…

大阪の水道水の水を手に満たして人のかたちに蘇生 猪幸絵 山々の稜線女の肩のごといだきて伊豆の淡雪ふりぬ 有沢螢 コンビニに買ひたる菓子の箱なかゆ出づ極彩のぶつざう一つ 佐藤大船 放たるる獣のごとくフェリー蹴り師走の街へトラック消えぬ 石井庄太郎 …

渡り鳥数えつづける指だけが暮れ残りたる十月の空 守谷茂泰 男とは年を取ることうまきゆえ冬に鱧あり行こうかと言う 森澤真理 東洋館ロビーにミニコンサートありユーモレスクに曲は変りてカールせるガンダーラ仏の口髭そよぐ 紺野裕子 ひらがなでわれわれと…

◆001:声 谷口純子 2005年03月01日 (火) 00時11分 鳴き声が人語に変わるすれすれで対決しおり黒猫白猫 猫同士の喧嘩の緊迫感を「鳴き声が人語に変わるすれすれ」と ややずらした個性的な表現で巧みに切り取った歌ですね。 この「すれすれ」は、作中主体が二…

休日のおそき目覚めの夢うつつうすももいろに放火のニュース 川田由布子 AVと聞くとき何故か浮かびくるナチ親衛隊の器械体操 武下奈々子 定住のあの人かの人夕焼を背負ひて帰る平和であれよ 大和類子 子供向けテレビより今日も聞こえ来る「雨ニモ負ケズ」…