2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

宮大工のまろき欠伸が水煙(すいえん)の上(へ)に浮かびたり薬師寺の塔 うちひさす奈良の都の大仏の鼻くそに模せし菓子玉買ひき 陳玉といふ娘居るかもはつはるの 四海楼 > に入りたり 店員の一人(いちにん)樋口一葉に肖るめり決(け)して笑まざるところ…

☆ 3.1:ビキニデー 伊波虎英 2005年01月23日 (日) 16時39分 レントゲン技師の紫煙やビキニデー ★島田牙城選【地】 ☆ 3.2:ミニの日 伊波虎英 2005年01月23日 (日) 16時45分 ミニの日や崖つ縁とふプチにゐる ☆ 3.3:結納の日 伊波虎英 2005年01月24日 (月) 23時2…

ひたぶるに己が身を舐め消え果つるまろき老い猫かも地球とは *題「自由題」 *期間2005.1.12〜2.15 *出詠歌一覧は、こちら。↓ http://www.tanka.org/kakai12.html

 (3/13記)

ひさびさに響もすをとこの寝の息を聞くたのしさや歌集をひらく 桃色の付箋ひと束吸ひこみて上半身のふくらむ歌集 近藤かすみ 君たちは柿高々と晩秋の空を信じていてぶら下がる 宮田猟介 腰落し練馬大根引き抜けば地球が五ミリ月へと動く 田所勉 無防備に花び…

 (3/13記)

おはじきに触れた指先からめくれわたしはつるりと少女に戻る 天野慶 父の昏みに座薬を入れてバスに乗る手を石鹸の香に包ませて 生野檀 この身にも湯をかけ油ぬきしたき日暮れとっぷり重たくありぬ 荒木美保 鍋やかんバケツ無造作に置かれゐて金物店はしづか…

 (3/11記)

馴染みがたき人らと別れ会ひに来つ動物園の幼きカバに 金沢早苗 松平盟子になれぬと笑い合い飲みに行きたりノーブラのまま 森澤真理 へその緒を握り締めたる風体に犬と我がゆく山野行なり 武藤ゆかり 窓辺には黄色いベゴニア壊されてしまうくらいなら壊して…

 (3/10記)

昨日見し風の縞目の濃淡が今朝さざんくわの垣に残れる 武下奈々子 バス停のそこのみポツンと明るくて 忘却とはかく忘れ去ること 川田由布子 みぞれふる林のやうなさびしさが影連れながら畳を帰る 和嶋忠治 大根をみな抜き終えし山畑の土くろぐろと夕陽に匂う…