2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

大寒波なるモスクワに路上生活者(ホームレス)と Coca-Cola (コーク)の赤き看板は凍つ 「世界バラ会議大阪大会」は百一日後より七日間のみ 六本木ヒルズ族のひとり森小路(もりせうぢ)ならぬ袋小路(ふくろこうぢ)に見えなくなりぬ なぐれ魚売らるるご…

【扇マーク】 「春先は市街戦に注意して」色白き気象予報士が告ぐ 伊波虎英

かたちよく盛られし飯粒(いひぼ)妖変し桜はなびら仏間をおほふ *題「桜(花)」 *期間2006.3.27〜4.15 *出詠歌一覧は、こちら。↓ http://www.tanka.org/kakai15.html

スズメ、ハト、カラス大量死の春を花びらとなり散るやもホモ・ファーベル(われら) (☆4/14付「さるさる日記」参照)

「出かけます」一行ありてメモ用紙みかん一個の文鎮匂ふ 河内尚 束縛と自由のあはひふんはりと加湿器の湯気ふたりをつつむ 谷垣恵美子 海鳴りのきこえ来るよな寂しさを子の置きゆきし大人のぬりえ 山粼カツ子 とろろこんぶうどんをかるく啜るときも過ること…

大雪の気配ただよふ上空に冬の背骨のふとぶととあり 洞口千恵 熱のあるまなうらふうと夕焼けて母を追う子が駈けるまぼろし 関根雅子 鬱の日は「この野郎め」と切りつけてみんと買ふなり厚きビフテキ 正藤義文 苦行僧のあばらのごとき篭の中ゆうきだいこんて…

たましいを迎えるように外套を開き温めるニコンF2 森澤真理 箱に戻るのは嫌だと叫びし腹話術の人形見てのち家へと戻る 西橋美保 天井のしみと中年の繰り言は似ていると思う口には出さず 山粼泰 小さき町に小さく暮らす私もガラスの靴を時折磨く 柏谷市子 …

かつて空を飛びし自転車駅前に繋がれてゐて翼のあらず 藤本喜久恵 特急の停まらぬ駅を過ぎる時さびしき顔の人五、六人 大橋弘志 新しきホワイト石鹼が薫りをり酔ひし夕べの洗面所にて 神代勝敏 花束の似合わぬ女が眼前を過ぎるはつくづく不運と思う 生沼義朗…

糠星がふたりの顔を仄照らしイエスとユダの密談つづく キリストは復活ののち嘆きけむ想定外のユダの自死をば (☆4/7付「さるさる日記」参照)