2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【扇マーク】 イサリウオを名乗らずカエルアンコウに擬態し漁(いさ)るイザリウオはも 伊波虎英 (http://www.fish-isj.jp/iin/standname/opinion_collection/change_name.html)

むわんむわんドリアン匂ひベンタイン市場入口に吸ひ込まれてしまふ 本多稜 大字も字も失せたる集落のアルミサッシのひかりが硬し 武下奈々子 何に怯え構うる我かたなごころまるめて明るき空間仕舞う 佐藤慶子 ふつふつと葱、蒟蒻の煮えてきていまだ終らぬ晩…

求人のチラシ広告手に重く老われらにも来る日曜日 村田馨 道連れを考えていたあの頃と変わらずバンザイして子は眠る 大橋麻衣子 曇天の下で眺める掌の傷より蔓が伸びて宙吊り 大橋麻衣子 塩零せば七年不幸つづくとふイタリアの諺 ゆで卵むく 有沢螢 十三本目…

のど飴が売り切れている街に居てほこりまみれの夢もまた良し 津和歌子 明らかに無能な上司に胡麻をすり鼻の油を腕で拭きたり 西尾睦恵 幼児の小さき頭を撫でてをり父去りし子のかなしき旋毛 菊池尚子 「エッチ大」と言はるるゆゑに校名をやむなく変へし「英…

自転車はサドルを高くして待てり東口(ひがしぐち)から出でくるわれを 谷崎瑳江子 紅さされデイサービスの迎え待つははのぬけがらとぬけがらのはは 朝生風子 譲り合ふ人と人とが譲り合ふゆゑにぶつかる冬の街角 斎藤寛 キッチンにココアを練れば不覚にもふ…

「真白(まっしろ)な鳥」早川志織 誰もいない体育館はみずうみに沈んだ町の音がしていて 木蓮のつぼみ聞こうと耳奥の小さき闇をふくらませたり 三月の車掌が白い手袋で指差す先の線路、菜の花 「寒雲」春畑茜 たましひが濡れてをるなり夕刻の雨なかに立つポ…