2004-12-28 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 かつて東雲(しののめ)乳母車店ありし地にたつダイエー大和店如何に 雄インド孔雀の羽根にかこまれて明日という語をいうは哀しも 「自転車屋の無料(タダ)で空気が入れられるポンプを僕は尊敬してる」 真昼、いるはずなき姉が湯剥きするトマト 斯くまで現実は澄む 盈月(えいげつ)の幸い信じ卓にある果実に触るることなく眠る 眼球はすばやく動き白昼の残滓を集めかき混ぜている 伊波虎英