2005-03-28 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 ほんたうに自死してしまつた人たちの遺書をあつめたサイトを覗く 人の名と食べ物あまた記されし円谷幸吉(つぶらや)の遺書に < 養命酒 > ありぬ 萩の月(仙台銘菓)にそつくりの薩摩土産をひとつだけ食ふ ユンソナが舌訛(しただ)み話すニホン語の沁み入るわれは罅(ひびれ)、山処(やまと)の 毛づくろひする猫の舌出できたるごとく津波は地を人を舐む ゆふぐれの < 団子坂下 > アララト山行きの都バスを待つ人をらむ 伊波虎英