2005-08-27 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 R300のカーヴをなぞりつつ試運転車の厳かにゆく 梅雨の入りまぢかき空ゆ額(ぬか)を射る光 短歌よさもあらばあれ (塚本邦雄氏昇天) 石走(いはばし)るあふみを思(も)へば戦ぎたつ城築かるるまへのさみどり 猜疑心を洗濯ばさみに銜へさせ乾梅雨空にはためかせたし 両耳をふさげば美術館(ミュゼ)の二次元の糸杉は吾の、世界のうねり 「短歌人」に載らぬ九首と載る六首玉斧(ぎよくふ)を乞はずわれは予想す 伊波虎英