2008-04-20 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 開襟の体操服にかそけくもむなちゆれつつ少女にありき 弘井文子 栗木京子の目鼻誰かに似てゐたりすなはち鳥毛立女が浮かぶ 野上佳図子 突然の上司の死により落着となりたる一つにセクハラもあり 小野さよ子 わが髪にちひさき木枯らし宿りゐて髪梳くたびにせつなき音立つ 関口博美 定期券を初めて買つた春の日に国鉄「クモハ」もする民営化 勺禰子 ふと君の耳のかたちを思うかな卓に置かれし眼鏡のつるに 佐山みはる カトマンズ帰りの吾が子は嘆きたり若者が自殺に来るのだと言ひ 長谷川知哲