2011-09-19 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 化粧塩振りたる指の所在なさ友と呼ぶべき一人はあるか 森澤真理 前の歯の二本抜けたる子の笑みを思ひ浮かべてキー叩きたり 宇田川寛之 子育てがいま楽しいと志野いへばわれのこころはしばらく和ぎぬ 小池光 今日もわれの何かが一つ終わりゆくもともと何もなかりしごとく 八木博信 天地逆に書かれてきたる原稿はわれの心を乱しはじめぬ 中地俊夫 きれいな音たててこぼれるビー玉よこんな手紙をもらつてみたい 金沢早苗 やわらかなアスパラガスが届くなり嫁の手書きの息子の名にて 梶田ひな子 (2012.1.19.記)