2011-10-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 蝸牛鳴く 伊波虎英 お好み焼き(おこのみ)のソースの香りかぎながら踏切の棒あがるのを待つ かたつむり張り付くごとしビル壁にあまたあまたの室外機鳴く 鉄板の上でソースがはねるごと「暑い、暑い」と言へり誰しも 夕焼けがお好み焼き(おこのみ)ソースの香に染まる夏の大阪(なには)は鉄板の上 側頭に蝙蝠ひとつぶら下がり揺れ初むるとき頭痛兆せり 後に、餌はチキンラーメンに変えられた。 あらひぐま捕獲のための鉄檻にをさまりて鳴くあはれ野良猫 香ばしきチキンラーメンに誘(おび)かれて害獣なれば即殺処分