折々のうた  伊波虎英


こんもりと阿蘇の米塚みどり濃き五月となれり暦めくれば


いとけなき耳より入りしパルナスの歌がわが身の愁ひの核か


明るさでおほふ恋慕のいぢらしき大河ドラマ長澤まさみ


なつかしき母の味するコロッケと惣菜屋にてゆくりなく遇ふ


半額の開店セールで購へば思ひのほかにいけるコロッケ


「短歌人」八八八号の八八ページにわが歌はあり


グラビアに施されゐし修正を推敲と思へば美女ら愛(いと)ほし