2004-09-27 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 金貸しが配るうちわを受け取って京の空気をかきまぜている キトラ古墳の壁より白虎抜け出でて吼ゆるがごとき遠雷をきく 外は雨、三月書房に青空の欠片のような「かばん」の表紙 コンビニのATMに空蝉は置かれ(誰かの檸檬爆弾) 塩揉みをして十分後ゴーヤには苦味のなかの苦味がのこる 得点圏打率が高い男だと馬鹿にしたのに喜んでいる 伊波虎英