torae1732007-11-01




噴水のみづのじゆんくわんちちのみの父にあらざる我にしぶける


市境を長(をさ)の斑声(むらごゑ)越ゆるとき真暗き空にきざす陣痛


晩年の昭和天皇ヒロヒトのごとく三脚は闇に立ちゐきカメラを据ゑて


ぼろ雑巾しぼるがごとく汗は出づ体脂肪率ひと桁なれど


おそなへの御欠(おかき)を食(たう)ぶ 音かなし 釈迦堂門前裏柳町


藤山寛美一代記」唸る河内家菊水丸きくすいまる)に盆のをどりの輪はひろがりぬ


エアコンが空気の汚れを検知する線香三本ともる新盆  伊波虎英