2007-11-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 噴水のみづのじゆんくわんちちのみの父にあらざる我にしぶける 市境を長(をさ)の斑声(むらごゑ)越ゆるとき真暗き空にきざす陣痛 晩年の昭和天皇(ヒロヒト)のごとく三脚は闇に立ちゐきカメラを据ゑて ぼろ雑巾しぼるがごとく汗は出づ体脂肪率ひと桁なれど おそなへの御欠(おかき)を食(たう)ぶ 音かなし 釈迦堂門前裏柳町 「藤山寛美一代記」唸る河内家菊水丸(きくすいまる)に盆のをどりの輪はひろがりぬ エアコンが空気の汚れを検知する線香三本ともる新盆 伊波虎英