2008-04-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 書きなぐり書きなぐりても詩は白き偽装再生紙を汚すのみ マスクして歩けばメガネ直ぐくもりメガネ外せばぼやけたる街 境内でひなたぼこする老人の指におみくじ結はへてありき 忌門(いみもん)を開けたるごとき音させて咽喉を鳴らせりしばしうがひに 崔洪万(チェ・ホンマン)の拳固ほどある松毬(まつかさ)を三つも拾ひ母のもどり来 ぬばたまの夜にひらけば明るみは零(こぼ)るナショナル冷蔵庫より 日めくりの暦しらじら舞ふ部屋で雪中遭難死を恋ふ乙女 伊波虎英