2008-05-16 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 敗者ではなく被害者の顔になる福原愛は試合に負けると 西尾睦恵 如月の人体模型の骨盤の蝶にあふるる性欲のあり 安斎未紀 わが両手ふいに払ひて息たえぬ癌病む夫は吹雪く夕べに 菊池尚子 ぶらんこを高く漕ぐとき子が不意にこの世の外にゆく心地せり 菅八重子 長崎のカステイラその底ひなる紙に粒なす粗目(ざらめ)のひかり 近藤かすみ やつれても大笑いしてみせた人そをささえたる背骨をひろう 会田美奈子