2008-10-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 電波かつソーラーにして息苦しさうに張りつく壁掛時計 葦原の瑞穂の国は随神(かむながら)おやがこあやめこがおやあやむ 言霊の助くる国にきららかにダガーナイフの光は零(こぼ)る 朝まだき幽(かそけ)きこゑでかなかなは邪言(よこしまごと)を浄めむと鳴く 通り魔が通り魔をうむ因陀羅網(いんだらまう) 命のひかり刃(やいば)に映ず 遠雷に青鈍(あをにび)のそら罅入りぬ(ぢきにここにも降りだすナイフ) えり首をサンボリストの蚊に食はれ掻きむしるときまた通り魔が…… 伊波虎英