重なれば重なりしほど偶然は花壇の薔薇の匂うがごとし  多昭彦



入門の乙女らの膝やはらかに盛りあがりゐて茶室華やぐ  津布久愔子



かたつむり眉間をなぞってゆくようなこころぼそさを共有したい  中井守恵



ふと消えてしまひはせぬか盆祭の三日三晩を踊り明かせば  三島麻亜子