教会の塔の高処に吊る鐘のぐらなだぐらなだ天に鳴る街  吉岡馨



汚さずにきたるその手でふれてみよ白いタイヤキ白い仏壇  芦田一子



よろめきてもなほ一発のジャブのため内藤大助にやりと笑ふ  平柳ミツ子



五月病わずらう犬が庭中にほりたる穴の一つに落ちる  田平子


                                                            (2009.9.9.記)