2009-12-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 しるべ顔の死びとのごとく彼岸花とほく揺れをり濃きくれなゐに 母と子をファインダー越しに見しは父、片上鉄道周匝(すさゐ)の駅に 知らぬまに玄関先に置かれゐしタウンページの黄を匿ひつ 負け越しのチーム同士で争へる三位なれども楽しぶわれぞ 玉くしげ金券ショップに使ひ捨てマスク売られて秋の空澄む この冬に着て寝むとする長袖襯衣(スウェット)に白きタグありホンジュラス製と 稲(いな)むしろ川におほきな黄のあひる浮かべて「水都大阪2009」 伊波虎英