2010-01-09 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 薄き和紙重ねるようにさよならを言わないままに遠くなる人 吉川真実 満ちては引くをんなと思ふ片意地に 助けになんか、勝手に来るな 平居久仁子 担がれしこともなければ担がれて来る神さんをあわれがるなり 西川才象 のりピーと呼ばれ思はず微笑みぬ警察署より歩み出でし時 田中浩 亡き父のカーディガン着るとりたてて思うことなしただ夜寒かな 久保寛容 人ら去りて大きくなりし車窓より溢るるばかり秋の松島湾 洞口千恵