2010-05-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 結社誌にジョン・ケージの沈黙の楽音として欠詠はあり ぬばたまの皮蛋(ピータン)あかねさすアヒル摩尼車(マニぐるま)のごと円卓まはす 広辞苑に「毒婦」と「独夫」ならびゐて男さみしく殺されてゆく あんぱんの中の漉し餡のなめらかさもて腰パンはずり下がりをり 皆誰かおいてけぼりにして生まれおいてけぼりにして消えるまた 大きいのだけが取柄のシュークリーム(金メダルとは全然ちがふ) 学習院初等科にも乱暴な男児ゐるらし なにかホッとす 伊波虎英