2010-08-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 仏壇にほころび初むる芍薬の丸きつぼみの玉を惜しめり ゴキブリの家(うち)をつくりて片隅におく真夜ふとも辺野古をおもふ 咲きのこる丸きつぼみは小さかり貌佳草(かほよぐさ)とも呼ばるる花の 代金を前払ひすれば髪の毛は十分ほどで刈られてゆけり 十三円三十銭づつ一日に伸びたる髪の今し刈らるる マウンドに乙女が立てばつかのまをエデンの園となる甲子園 たましひが茹であがらぬやう一杯の水飲みてから風呂に入りぬ 伊波虎英