2011-09-17 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 旅に出る後めたさを覆うごとおでんの匂い部屋に満ちくる 林むつ子 らんちうの餌に染ませて与へると冷蔵庫にはヤクルト十本 吉岡馨 砂あらしの中から聞こえてくる声を神託とする占いがある 天野慶 舌を突きたてて炎えぬるビル群のほてりをさませ白き月光 松野欣幸 亡き母を偲ぶ時間の減りたれど母を詠みたる歌の増えゆく 洲淵智子 (2012.1.19.記)