2011-12-16 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 不意に降るきつねの雨はやさしくて母に似た手を頭上にかざす 今井ゆきこ 母とわれ小さき諍ひせしのちに出来あがりたる今宵の夕餉 山田政代 ヒトの足年取りゆけばさぼるのでときどき一本足で立たせる 西尾正美 世界から拒絶をされているような気がしてすこし前髪を切る 渡口航 何ひとつ解決はないごまかしてまたごまかして世界は狂う 吉原俊幸 飛びまわる霊になりたい服すべて脱ぎすててなお脱ぎたい夜に 木嶋章夫 運動会終わった後の寂しさのカーブ描いた白線の先 暎泉 (2012.2.6.記)