発電はせねどなほ発電所とふ立地の村は息をひそめて  関口博美



放射能米をつくれぬ農の人つばめのためと田に水張りぬ  中田公子



焼きただれし線路も石も取り除き仮設の店への近道作れり  阿部凞子



除染効果は薄しといえどフクシマのひまわりの花健気に咲けり  菅原和江



死者にまで降る放射性物質か此岸のみづに墓石を洗ふ  洞口千恵



とりあへず昨日の新聞かたづける原発の上に台風のせて  近藤かすみ



原発の上も照らすか五ミリずつミシガン湖上に肥りゆく月  川口かよ子


                                                                 (2012.2.6.記)