2014-03-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 新年のうた 伊波虎英 去年今年貫く棒の錆びたるを感じながらに新年迎ふ せめてもの慰めなるか新年は暗き夜から常にはじまる 三キロのダンベルを手に三時間あまりを立ちて過ぐる新年 ペットボトルに去年だれかが汲みくれし天然水を新年に飲む 元日の朝もラジオは発しをり浜村淳のいつもの声を 百円と消費税で買ひし手袋ゆ五円分ほど毛くづ出でたり 「ご飯やで」と起こしてくるる母の居て幸せさうなドラマの家族 シングルマザーとなりたる人の覚悟といふタトゥーをわれは自傷と思ふ