2015-01-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 神を折れ 伊波虎英 百合の花おほきくひらき晩秋の部屋に香りをつよく放てり 一枚の紙より生れし鶴たちが群がり垂るる祈りの嵩に 重なれる絵馬と絵馬とにはさまれて身動きできぬ神のをるらむ パンプキン色のドレスにあらはなる細き手足がハロウィンを告ぐ みづからを人と信じて疑はぬ犬よ、そんなにしつぽを振るな 爪切らなあかんと思ひつつ風呂に爪やはらかくなるまで浸かる 偏頭痛ひと晩寝ても治まらぬこの頃なれば朝を恐るる 一年ぢゆう冷えた麦茶をがぶがぶと飲んで水分摂取にはげむ