2016-03-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 あらたまの年 伊波虎英 去勢され町に放たれたる猫のさびしく鳴けるあらたまの年 野原など何処にもなくて野良猫と呼ばるるものは町をうろつく 野原など何処にもなくて野良犬と呼ばるるものは町から消えた あたりめで出汁をとりたるわが家の雑煮のもとは岡山にあり 青春は神の不在の祭りかな耳をすませば鳴る笛太鼓 ぜんざいは神在(じんざい)なれば白玉を神の吐息とおもひて食みぬ 賽の目の3(産)の向かうに4(死)のありて神の遊(すさ)びに転がるまでよ