○  伊波虎英


かましき音をたてつつシェーバーはわが顔面を蹂躙したり


線香の灰のやうなる白きもの電気シェーバーに溜まるは哀し


さういへば母が掃除をしてをりし父のシェーバーにも同じもの


死ぬときのための笑顔を準備せぬ少女ほほゑむ遺影の中に


まだつぼみ固きさくらの枝を折るごとく少女を殺めしは誰


阪神は(たとへば能見、藤浪が)稀勢の里つぽくて応援をせり


花霞とほくふくるるやうな声好きだたとへば徳永えり