2004-06-04 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 空(そら)に三(み)つ廊下 イラクへゆく人の口髭は雪の湿りを帯びて 銀行のATMは悪人の見分けもつかず触られている かさかさと音させているコンビニの袋に雨は沁みてはゆかず 銀鱗のあふれてやまぬ受話器からあなたの声をさがす冬の夜<咳をしても一人> 微熱のあることを語らず仕切るネット歌会 エヴィアンで潤しし後の舌先でなめる切手は藻葉の味がす