2007-03-29 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 ぬるぬるの涎光れりルールなき喧嘩に眼(まなこ)赤き野良犬 電球の切れし洗面台で歯をみがくがごとき寂しさは来ぬ 買ふつもりなけれど未だこの冬の夜に焼き芋を売る声きかず 苛らぎを楽にする意の「イララック」小林製薬の鎮静剤なり 欧米か、と見まがふ宮処(みやこ)東京をタカアンドトシトシトと濡らす雨 美味求め儲けにかまけざる職人ならねば古き牛乳使ふ 東京のたこ焼き不味しおそらくは南京、北京の章魚小丸子(タコボール)よりも 伊波虎英