放埓な馬のひづめに音叉見ゆ すなはち吹けり春一番


いつの日か柘榴のごとく(異常気象世界めぐりき)地球は割れむ


みづうみと海の婚(くながひ) 天あふぎ地上のわれら沈みゆくのみ


高瀬賞応募用紙とわが歌の四百余文字をデジカメに収む


短歌(うた)はわが < ボーリンゲンの塔 > なれり 煉瓦をひとつまたひとつ積む


万華鏡のぞく少女の瞳して歌集を読むや小島なおはも


猫嫌ひの魯迅が所業か 青き粉振られし飯(いひ)の公園にあり  伊波虎英