孤独なる男振りたる電球のフィラメント鳴り極まる秋ぞ


親指とひとさし指でこめかみを同時に指せば飛ぶ輪ゴム弾 


くれなゐの輪ゴムを部屋にばらまいて眠らむ今宵、自死さながらに


コインパーキングだらけの街にふる鴨脚(いちやう) 先腹(さきばら)さらば追腹(おひばら)


偽貨われら献金袋に落すごとLEDは街を灯せり


市役所の前に聳ゆる聖樹見てさめざめと泣けお初徳兵衛


玉製家のおはぎぶら提げ桂文珍(ぶんちん)の咄(はなし)を聴きに千日前へ  伊波虎英