2008-08-18 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 何となく書棚より取る『冷血』にわれの妬心は衰えず在り 久保寛容 心底人が恐ろしと思ふ夜ぞ セコムも人につながりてゐる 森脇せい子 ひとところこゑ強むればそのやうにimagineと言ふ生徒らをかし 野村裕心 置き場所をあれこれ変へぬといふ事が老いの哲学めきてきたりぬ 佐々木和彦 食卓に載りて明るき豚足の動き出すかも正午(ひる)のサイレン 田村よしてる 母の日に亡母(はは)の好みし肉うどん軟らかに煮て仏壇に供う 刈部利江