2009-02-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 戯(じや)れあへる子猿のやうにもみぢばは一葉二葉と零(こぼ)れてやまず 白鳥のごとき司書ゐる図書館に冬の湖畔の冷えみなぎれり 静寂主義者(キエティスト)の祈りのごとく星彩は冬青空にきらめきてゐむ ゲイルズバーグの春を愛す、とのみ記す賀状をだしてふッと消えたし 「memo flora」に賢治ゑがきし花園へ水遣りをするごとく歌読む 羊飼エンデュミオンの永遠の眠りをさます歌を詠みたし ペットボトルのキャップゆるみてOLのかばんより飛び立ちし水鳥 伊波虎英