2009-03-18 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 雨のくる匂いがすると呟きて筆職人は腰をあげたり 宮本田鶴子 人体にうらおもてあり薪火に手温めをれば背中がさむい 佐藤大船 白旗をかかげるやうにA4の書類で誰かを手招くをとこ 池田弓子 ともかくも走ればよいといふことか二両の車両の色が異なる 中平敏子 静やかに降り積もる雪 喩ふれば人に逢はずに戻るこころよ 山科真白 何もかも値段のあがる世の中で十円ハゲは十円のまま 松木秀