2010-03-02 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 核兵器保有論者のさす傘もひらけり冬の雨ふる街に 大蛇(うはばみ)のごとくとぐろを巻く睡魔ほどきて母とテレビ見てをり 人として在る天運をおもひつつ日本人われ聖夜をすごす 「短歌人」一月号を待ちながら大晦(おほつごもり)のガラスをみがく わが家に思ひもかけぬ除夜の鐘とどけて年を越えし大風 またひとつ年を重ねてほほほほと深井の女(をみな)わらふ元旦 冷や飯をぬくめるだけの一生は嫌だと電子レンジ自害す 伊波虎英