2010-04-11 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 まつしろなシーツを冬の空に干す風向きはたぶんわたしが変へる 三島麻亜子 あけがたの夢の断片まとひたるわが身に苺ひと粒の寒 関口博美 浴室はほのぼの温し老い母のまろき背中に湯をかけるとき 小出千歳 週ごとに献花のかはる交差点わたり終ふるまで子に付き添ひぬ 春野りりん 週末にのみ帰りくる子の部屋を巡り撒きゆく鬼やらひの豆 洲淵智子 存らへて病むは寂しゑそしてまた病むひと遠く思ふも寂しゑ 尾本直子