2010-06-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 「赤福」の桃花いろの包み紙ほどけば子規の句が春を告ぐ 豆ごはん緑あざやぐ飯碗にひび見つけたる夕餉の哀し この碗で食ぶる最後の後(のち)の飯(いひ) 豆ごはん食む二膳目を食む あたらしき茶碗を母はまづ茹でつ母の母より伝はる知恵に 女時(めどき)とふことば男時(をどき)といふことばあるを哀しむ花冷えの夜 うつくしき乙女が立てばマウンドは < エデンの園 > となる、始球式 自らのあばら骨もて魂きはる < 命の木の実 > をアダムは打ちし 伊波虎英