2010-08-24 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 わが臍はここにあるぞと大空を仰ぎて今朝も深呼吸する 小野さよ子 待ちに待ちしわが生命保険の祝ひ金塗料となりて屋根かがやかす 岩崎堯子 ありがとうさよならまたねそんなとき若葉が背中に生えくる痛み 今井ゆきこ 石段を地蔵の影が這い登る 登りきれずにいつも夕暮れ 川前明 午後三時立て看板の人の名を変へて去りゆく葬儀屋の人 横倉勝一 油ゑのぐ頭蓋骨からはみ出してカンバス叩くジミー大西 松村威