2011-03-10 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 パチンコ屋に小池光はあらはれてわが連荘(れんちやん)をしばし見てをり 野村裕心 捨て続け来し柵(しがらみ)の亡骸か点滴台をがらがらと牽く 黒田英雄 夫は知りわれはしらざるひとよりのハムを夕餉に分厚くも切る 吉岡馨 いづこより起これる風か背をかすめゐろりの灰をまた赫くする 三島麻亜子 もう春が来てゐる旅のカタログを電車待つ間に手を伸ばし取る 荘司竹彦