波照間産黒糖あまみふかくして恋おほらかに育つ地の味  竹浦道子



離れへの歩幅に合わぬ飛石をゆくとき足よりゆうぐれはくる  平林文枝



水を足す硯にひかり砕けいつ 五月晴れなる六番札所  蜂須賀裕子



お父さん・親爺・じいじい、こもごもに死にゆくあなたを引き戻さんと  大場恭子